
サイエンスパーク
Dubai Science Park(DSP)はTECOM Group運営の医薬・バイオ系フリーゾーンに直結する新興レジデンスエリア。スタジオAED 750K台・グロス利回り7〜8%・サービスチャージAED 12〜15/sqftの低コスト構造を、Arjan/Dubai Hillsとの違いを含めて2026年最新データで解説します。
Dubai Science Park(ドバイ・サイエンス・パーク、略称DSP)は、Dubai Holding傘下のTECOM Group PJSC(DFM上場)が運営する中東有数の科学・ライフサイエンス専門ビジネス地区であり、医薬・バイオテクノロジー・ライフサイエンス・環境科学・F&Bイノベーションなどの研究開発拠点が集積するエリアです。Al Barsha South 2に位置し、Sheikh Mohammed Bin Zayed Road(E311)に直結する立地に、ライフサイエンス・エネルギー・環境分野のオフィス・ラボ群と、それを取り囲むように集中竣工する新興レジデンスタワー群が併存しています。日本人投資家にとっては「Arjan隣接、JVCより専門性が立つ立地、Dubai Hillsより手の届きやすい価格帯」の新興エリアとして整理すると分かりやすいでしょう。
Dubai Science Parkはドバイの中西部、Al Barsha South 2地区にあり、主要幹線道路へのアクセスが投資判断の出発点になります。
エリアはArjan、Motor City、Al Barsha South、Al Quoz等の周辺コミュニティと隣接し、南東側にはDubai Hills Estateが、西側にはJVCが位置します。Arjanとは独立した別コミュニティですが地理的に至近で、ポータル検索ではArjan/DSPを並べて比較するのが実務的です。
メトロ駅は徒歩圏に存在せず、Mall of the EmiratesメトロまでJ01/F33等のバス接続で約15〜20分。車前提のロケーションである点はArjan/JVCと共通の弱点です。
DSPの最大の特徴は、TECOM GroupがDubai Internet City、Dubai Media City、Dubai Knowledge Parkと同じスキームで運営する**「業種特化型フリーゾーン」**である点です。
つまりDSPにはライフサイエンス・医薬企業の従業員という、他エリアでは見られない業種特化型のテナント層が一定割合存在する可能性があります。これがArjan/JVCとの構造的な差別化要因と言えます。ただし域内勤務テナントの実比率を裏付ける公開統計は限定的なため、実需深度は個別物件ごとに精査が必要です。
レジデンス開発は2024〜2027年に集中しており、現在進行中の代表プロジェクトは以下のとおりです。
オフプラン稼働プロジェクトは6本・136戸超(Olivaトラッキング)、トラック対象建物は計35棟規模。**「複数デベロッパーが同時並行で短期集中供給する局面」**という点でJVC型の供給構造を持ちますが、JVCほど100社超の小規模デベロッパー入り乱れにはなっておらず、Binghatti、TownX、Vincitore、HREといった中堅〜大手の比率が相対的に高いのが特徴です。
**「Dubai Hills Estateの家賃は払えないが、ライフサイエンス・医療業界で安定雇用」**というプロフェッショナル層がDSPのコア・テナントです。年契約での更新率が高く、Arjan/JVCに比べてターンオーバーが低い傾向があります。日本人駐在員でも、UAE法人の医薬・ヘルスケア・F&Bビジネス関係者の住居選択肢として徐々に注目されています。
2026年時点のDSP投資指標を整理します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 平均販売価格 | 約AED 1,180 / sqft(Arjanより約12%高) |
| アクティブプロジェクト平均価格 | 約AED 1.9M |
| 価格レンジ | AED 853K〜5.6M |
| スタジオ取引価格レンジ(2026年5月DLD) | AED 756〜828K(487〜501 sqft中心) |
| 1BR取引価格 | AED 1.13〜1.54M(Opalz/Aqua Dimore等) |
| サービスチャージ | 約AED 12〜15 / sqft(Arjan・JVC比で割安) |
| 二次流通取引件数(直近12ヶ月) | 約1,160件(Arjan 4,140件比で約28%) |
| 同一タワー内の比較取引件数 | 8〜16件/12ヶ月 |
サービスチャージAED 12〜15/sqftはドバイ住宅エリアの中でも構造的に低い水準で、ネット利回りを底上げする隠れたメリットです。Marinaの一部高層タワーがAED 20〜25/sqft、Dubai HillsがAED 16〜20/sqft水準であることを踏まえると、年間維持コストで100㎡あたりAED 5,000〜10,000の差が出ます。
ただし取引件数がArjanの28%程度しかない点には注意が必要で、リセール時の比較対象(コンプス)が薄いため、価格変動が相対的に大きく、出口戦略の柔軟性ではArjan/JVCに劣ります。
DSPのグロス利回りは情報源によって幅がありますが、以下が実務的なレンジです。
| 物件タイプ | グロス利回り(実務レンジ) |
|---|---|
| エリア平均 | 6.6〜8.5% |
| スタジオ | 7.5〜8.5%(最大ROI物件) |
| 1BRアパートメント | 4.7〜7%(広めの新築は低め) |
| 2BRアパートメント | 4.5〜6.5% |
| コーポレート長期賃貸(医薬企業BTR) | 7〜9%(安定性最高) |
例:Binghatti Hillsideのスタジオ AED 800,000を年間家賃AED 62,000で貸し出すと、グロス利回り約7.75%。サービスチャージが低いため、ネットでも5.5〜6%確保が現実的です。**「JVCより少しだけ表面利回りは低いが、サービスチャージ控除後のネットでは差が縮小、かつテナント定着率が高い」**のがDSPの実像です。
中長期では「Dubai Hillsの拡張ベルト」かつ「サイエンス系フリーゾーンのレジデンス受け皿」という二重のポジションが確立される見込みです。
DSPには明確なリスクがあり、日本人投資家は以下を必ず織り込んでください。
対策は**「①引き渡し直前のオフプランか完成在庫を選ぶ ②Binghatti、TownX、Vincitore等の中堅以上のデベロッパーに絞る ③7年以上の中長期ホールド前提でコーポレートテナント長期賃貸を設計する」**の3点に集約されます。
| エリア | 平均価格(AED/sqft) | グロス利回り | サービスチャージ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Dubai Science Park | 約1,180 | 6.6〜8.5% | AED 12〜15 | フリーゾーン直結、コーポレート安定テナント、流動性薄 |
| Arjan | 約1,050 | 6〜9% | AED 14〜18 | Miracle Garden隣接、取引深い、最安エントリー |
| Dubai Hills Estate | 1,800〜2,500 | 5〜7% | AED 16〜20 | プレミアム、マスター開発、流動性高、キャピタル成長 |
| JVC | 約850 | 7.5〜9.5% | AED 15〜20 | 利回り最大、供給ラッシュ、流動性最高 |
| Al Barsha(中古) | 約1,300 | 5〜7% | AED 14〜18 | 成熟、メトロ接続、ファミリー向け |
**「コーポレート長期賃貸と低サービスチャージを取るならDSP、最安エントリーと取引流動性ならArjan、キャピタル成長ならDubai Hills、純粋利回り最大化ならJVC」**という棲み分けです。日本人投資家にとってDSPは「Arjanより少し上質、Dubai Hillsより圧倒的に手が届く中間ゾーン」として位置付けると整理しやすいでしょう。
Dubai Science Park(DSP)は、TECOM Group運営の科学系フリーゾーンに直結する**「コーポレート長期テナント基盤×低サービスチャージ×中堅価格帯」**を兼ね備えた新興エリアです。日本人投資家には以下の戦略が有効です。
短期供給集中と取引流動性の薄さには「中堅以上デベロッパー・完成在庫または引き渡し直前オフプラン・7年以上ホールド・コーポレート長期賃貸設計」の4条件で対応し、ドバイのサイエンス系フリーゾーン経済の成長を取り込む――それがDubai Science Park投資の本質です。