
アブダビ大手アルダー不動産、2025年1-9月期に純利益30%増の60億AEDを達成
概要
アブダビを拠点とする大手不動産開発会社アルダー(ALDAR)・プロパティーズは、2025年最初の9ヶ月間で税引き後純利益が前年同期比30%増の60億ディルハム(AED)に達したと発表しました。この目覚ましい成長は、同社の開発事業と投資事業の両プラットフォームが好調であったことに起因します。
驚異的な業績の詳細
2025年1月から9月までの期間における同社の業績は、UAEにおける法人税率の引き上げにもかかわらず、力強い成長を示しました。
- 純利益: 60億AED(前年同期比30%増)
- 収益: 236億AED(前年同期比43%増)
- EBITDA(利払い・税引き・償却前利益): 78億AED(前年同期比44%増)
特に第3四半期単独では、純利益が19億AEDに達し、2024年の同四半期と比較して49%の大幅な増加を記録しました。
成長を牽引する開発事業
アルダーの開発部門は、収益と利益の両面で著しい成長を遂げました。
- 9ヶ月間の収益: 171億AED(前年同期比50%増)
- 9ヶ月間のEBITDA: 50億AED(前年同期比58%増)
グループ全体の売上高は285億AEDに達し、そのうちUAE国内での売上が265億AEDを占めました。特に第3四半期のUAE国内売上は91億AEDに達し、四半期としての過去最高記録を更新しました。この好調な売上は、国内の旺盛な需要と、海外からの投資家の関心の高まりが背景にあります。
また、エジプトや英国といった海外事業も、同社の収益に大きく貢献しています。
安定した収益基盤となる投資事業
総額470億AEDの資産を管理するアルダーの投資部門も、安定した成長を見せています。
- 調整後EBITDA: 23億AED(前年同期比17%増)
この成長は、高い稼働率と賃貸収入の増加に支えられています。特に、住宅資産の稼働率は98%という高い水準を維持しています。商業施設部門では、ヤス・モール(Yas Mall)のテナント売上と来客数が二桁成長を記録し、全体の業績を押し上げました。
持続可能な成長への取り組み
アルダーは財務的な成功だけでなく、環境・社会・ガバナンス(ESG)の面でも大きな進展を報告しています。
- エネルギー使用効率: 31%改善
- 建設廃棄物のリサイクル率: 86%
- UAE国籍従業員の割合: 44.3%に到達
これらの取り組みは、同社が持続可能な成長を重視し、地域社会へ貢献する姿勢を示しています。
まとめ
アルダー・プロパティーズの2025年第3四半期までの業績は、UAE経済の力強さと、同社の多角的なビジネスモデルの成功を明確に示しています。記録的な開発案件の受注残高と、国内外からの旺盛な不動産需要を背景に、同社の今後の成長にも大きな期待が寄せられます。