
ドバイとアブダビの不動産市場最新情報:2023年夏以降の動向と今後の展望
夏の終わりを迎え、学校が再開するにつれて、ドバイとアブダビの不動産市場は再び活況を呈しています。主要な格付け機関の報告から、注目の新規プロジェクトまで、今回はドバイ・アブダビで長く経験を持つ不動産ブローカーのYouTubeチャンネルを参考に、市況を学んでみましょう。
ドバイ不動産市場:夏の静けさからの再活性化
ドバイの不動産市場は、夏の間は取引が一時的に減速したものの、秋口には再び活発な動きを見せています。多くの不動産関係者が一時的な懸念を抱いていたにもかかわらず、市場はビジネスを通常通り再開しています。
大手格付け機関による異なる見解
- フィッチ(Fitch) : 2023年7月のレポートで、ドバイ市場が15%下落する可能性を指摘しました。
- ムーディーズ(Moody's) : しかし、ムーディーズの最新レポートでは、2026年にドバイ市場が「穏やかな調整(modest correction)」を迎えるとの見方を示しており、大幅な下落はないと予測しています。
これらの異なる予測は、ドバイ市場が非常に反応的であり、わずかな調整が大きな変動につながる可能性も示唆しています。
新規供給と注目プロジェクト
2025年から2027年にかけて、ドバイには約150,000戸の新規住宅が供給される見込みです。これは現在の在庫に約20%を追加する大規模な供給量となります。
特に注目されているオフプランプロジェクトとして、Jumeirah Golf Estates 2が挙げられます。このプロジェクトは、これまでにないほどの市場の興奮を呼んでいます。
- 初期ローンチ : 最初の段階で165戸が発売され、最終的には2,000戸規模のコミュニティになる予定です。
- 豪華なアメニティ: マンダリンオリエンタルホテル、乗馬センター、ゴルフコースなど、多様な施設が計画されています。
- 魅力的な価格設定: 既存のJumeirah Golf Estates 1と比較して、平方フィートあたりの価格が50%も低いとされています。
- 支払いプラン: ドバイでは珍しい50%頭金、50%引き渡し時の支払いという、投資家にとって魅力的な支払いプランが用意されています。
このような好条件は、オフプラン物件への強い需要を後押ししています。
アブダビ不動産市場:着実な成長から飛躍へ
これまで「ゆっくり着実な成長」で知られていたアブダビの不動産市場は、現在、目覚ましい発展を遂げています。過去には年間3~5%程度の価格上昇が一般的でしたが、現在では一部のエリアで年間20%もの価格上昇が見られるほどです。
注目エリアと開発計画
- ヤス島(Yas Island) や ラハビーチ(Raha Beach) などの既存の人気エリアでは、流通市場(セカンダリーマーケット)での価格上昇が顕著です。
- Modonプロジェクト: アブダビ政府系の不動産開発会社であるModon社が手掛けるプロジェクトは、大きな期待を集めています。特にHudayriyat Island(フダイリヤット島) の開発は注目されており、1,800区画の土地が数日で完売するなど、その人気ぶりが伺えます。
- 低密度開発 : 本土に近い場所に位置しながらも、低密度でヴィラ中心の開発が計画されています。
- インフラ整備 : 将来的な交通渋滞を避けるため、複数の橋やトンネルの建設が予定されており、利便性の向上が見込まれます。
- 戦略的なトンネル建設 : 宮殿が集中する「Al Mazoon」のような重要なエリアを迂回する形でトンネルが建設される予定であり、既存の景観や施設を尊重した開発が進められています。これは、UAEのインフラ開発における柔軟なアプローチを示しています。
オフプラン市場の活況と将来性
アブダビの不動産市場でも、オフプラン物件に対する高い関心が続いています。一部の新規ローンチ物件は以前ほど瞬時に完売しないケースも見られるものの、依然として強い需要が存在し、市場全体の成長を牽引しています。
まとめ:活況を呈するUAEの不動産市場
ドバイとアブダビの両市場は、それぞれ異なる特性を持ちながらも、活況を呈しています。ドバイは大規模な新規プロジェクトと国際的な投資家の関心を集め、アブダビは着実なインフラ整備と政府主導の開発によって成長を加速させています。これらの動向は、UAE不動産市場が今後も魅力的な投資機会を提供し続けることを示唆しています。