
ドバイは「短期滞在の都市」から「永住の地」へ:平均居住期間が10年以上に急増
ドバイの居住トレンドに大きな変化
かつてドバイは多くの外国人居住者が短期的に滞在する都市と見なされていましたが、その認識は急速に変わりつつあります。最新のデータによると、ドバイの平均居住期間が2024年の7.5年から2025年には10.5年へと大幅に伸び、過去10年間で最も顕著な変化を記録しました。これは、ドバイが単なる一時的な勤務地ではなく、人々が長期的な生活の拠点として根を下ろす場所へと変貌を遂げていることを示しています。
この傾向は、住民の意識調査からも明らかです。現在、住民の約60%が10年以上の長期にわたりドバイに住むことを計画しており、都市の安定性、住みやすさ、そして将来性に対する信頼の高まりを裏付けています。
賃貸者の意識変化が特に顕著
この変化は、特に賃貸物件に住む人々の間で顕著に見られます。賃貸者の平均居住期間は、2024年の6.7年から2025年には9.9年へと増加しました。さらに、彼らが今後ドバイに滞在すると予想する平均年数も、前年の7年から10.7年へと大きく伸びています。このデータは、住民がドバイに対してより深い愛着と経済的な関与を持ち、5年前にはあまり見られなかった長期的な人生設計を立てるようになったことを示唆しています。
不動産仲介業者betterhomesのCEO、ルイス・ハーディング氏は、「賃貸者の59%がドバイでの長期的な生活を考えているという事実は、人々が以前よりもはるかに高い信頼と明確さをもって、この街で人生を計画していることの証です」と述べています。
不動産市場が示す長期化の兆候
この居住期間の長期化というトレンドは、ドバイの不動産市場の活況にも反映されています。ドバイ土地局(DLD)のデータによると、2025年上半期には約4,310億ディルハムに相当する125,538件の不動産取引が記録されました。これは、2024年の同時期と比較して取引額が25%増加したことを意味します。
住民が投資家へと変化
投資家の活動も、住民の需要と共に急増しています。2025年上半期には94,717人の投資家が市場に参入し、前年同期比で26%の増加となりました。特筆すべきは、そのうち約59,000人が初めての不動産投資家であった点です。さらに重要なのは、これらの新規投資家の45%がUAEの居住者であったという事実です。これは、賃貸で生活していた人々が、不動産を所有する側へと移行している傾向が強まっていることを示しています。
市場の成熟と今後の展望
ドバイの不動産市場は、供給面でもこのトレンドを支えています。2025年上半期には約17,200戸の住宅ユニットが完成し、さらに61,800戸以上が年内に完成予定です。このような市場の動向は、価格にも影響を与えています。
- 販売価格:2024年下半期比で7.8%、前年同期比では16.6%上昇しました。
- 賃貸価格:長年の急激な上昇の後、安定化の兆しを見せており、2024年下半期からは0.6%の微減となりました(ただし前年同期比では9.9%上昇)。これは、貸主と長期的な借主との間でバランスが取れた、成熟した市場の兆候と言えます。
まとめ
これらのデータが示すように、ドバイはもはや一時的な通過点ではなく、住民が腰を据え、投資し、成長していく長期的な目的地として認識されるようになっています。都市のインフラが拡大し、経済が多様化し、国際的な地位が確立されるにつれて、この長期滞在の傾向はさらに強まることが予想されます。ドバイは、世界で最も住みたい都市の一つとしての地位を確固たるものにしつつあります。
参考記事: Khaleej Times - Dubai residents put down roots as average tenure surges to over a decade