
ドバイ不動産投資の新たな潮流:ミレニアル世代が牽引する「分割所有」とは?
はじめに
UAE(アラブ首長国連邦)の不動産市場において、「分割所有(フラクショナル・オーナーシップ)」という新しい投資形態が急速に注目を集めています。特に、ミレニアル世代を中心とした若い投資家たちがこの市場を牽引しており、不動産投資のあり方を大きく変えようとしています。本記事では、この分割所有の仕組みと、なぜUAEで人気が高まっているのかを分かりやすく解説します。
ドバイで注目を集める新しい不動産投資「分割所有」とは?
分割所有とは、一つの不動産物件を複数の投資家で共同所有する仕組みのことです。高額な不動産を一人で購入するのではなく、少額の資金で物件の一部分(持ち分)を所有することができます。これにより、家賃収入などの利益を、所有する持ち分に応じて得ることが可能になります。
この投資モデルの主な利点は以下の通りです。
- 少額からの投資:多額の頭金やローンを組む必要がなく、比較的少ない資金で不動産投資を始められます。
- 手続きの簡素化:複雑な書類手続きや管理の手間を省くことができます。
- 富の形成:若い世代やキャリア中期の人々が、将来の資産を築くための有効な手段となります。
投資を牽引するミレニアル世代
ドバイを拠点とする不動産投資プラットフォーム「Prypco Blocks」の最新データによると、分割所有への投資家の間で世代交代が明確に進んでいます。
- 36歳から45歳:投資家全体の40%を占める
- 26歳から35歳:投資家全体の27%を占める
このデータは、ミレニアル世代やキャリア中期の専門家たちが、従来の不動産投資が持つ大きな金銭的負担を避けつつ、資産を築くための新しい方法を積極的に求めていることを示しています。
投資家の国籍と動向
分割所有への関心は世界中に広がっており、特に以下の国々の投資家が市場をリードしています。
- インド:37%
- UAE(首長国連邦):14%
- パキスタン:8%
その他、エジプト(4.4%)、レバノン(3%)、ヨルダン(2.7%)、イギリス(2.1%)など、多様な国籍の投資家が参加しており、ドバイ不動産市場の国際的な魅力を反映しています。
注目プラットフォーム「Prypco Blocks」の取り組み
Prypco Blocksは、ドバイ金融サービス機構(DFSA)の規制下にある信頼性の高いプラットフォームです。同社は投資家を惹きつけるために、以下のような革新的なサービスを提供しています。
- 先行賃料保証:不動産の資金調達が完了してから2ヶ月以内に、年率5%の賃料収入を投資家のウォレットに前払いで保証します。
- 手数料の引き下げ:参入障壁を下げるため、手数料を従来の1.5%から1%に引き下げ、投資家のリターン向上を図っています。
- 最低投資額:わずか2,000ディルハム(約85,000円)からドバイの賃貸物件への投資が可能です。
Prypcoの創設者兼CEOであるアミラ・サジワニ氏は、「分割所有はもはや単なる不動産投資への入り口ではなく、投資対象としての不動産に対する人々の見方を再定義しています」と述べています。
まとめ
UAEにおける不動産の分割所有は、特にミレニアル世代にとって、より手軽で柔軟な投資の選択肢として急速に普及しています。Prypco Blocksのようなプラットフォームの登場により、これまで一部の富裕層に限られていたドバイの不動産市場へのアクセスが、より幅広い層に開かれつつあります。この新しい投資の波は、今後世界の不動産市場の未来を形作っていく可能性を秘めています。
参考記事:Khaleej Times - Millennials drive UAE’s booming fractional property market