
ドバイのオフプラン不動産、なぜオーナーは売却を急がないのか?市場の動向と専門家の見解
はじめに
ドバイの不動産市場、特に未完成の物件を売買する「オフプラン」市場が活況を呈しています。2025年には取引件数と総額が過去最高を記録するなど、その勢いはとどまるところを知りません。しかし、興味深いことに、多くのオフプラン物件のオーナーは、すぐに売却することなく資産を保有し続けています。本記事では、なぜ彼らが物件を保持し続けるのか、その背景にある市場の動向と専門家の見解を分かりやすく解説します。
ドバイ不動産市場の現状
まず、現在のドバイ不動産市場がいかに活発であるかを見ていきましょう。
- オフプラン物件の優位性:昨年のドバイ不動産売上において、オフプラン物件が全体の73%を占めました。これは2024年の69%からの増加であり、市場におけるオフプランの重要性が高まっていることを示しています。
- 記録的な取引:2025年には、取引件数が20万件を超え、総額は5,415億ディルハムに達し、市場は新たな記録を打ち立てました。
このように市場が活発であるにもかかわらず、多くの投資家は短期的な利益確定には動いていないのが現状です。
オーナーが物件を保有し続ける理由
では、なぜ多くのオフプラン物件オーナーは売却を急がないのでしょうか。その主な理由は、より高いリターンへの期待にあります。
### 長期的な視点での投資
不動産コンサルティング会社Cavendish Maxwellの専門家、Zacky Sajjad氏は、ドバイの不動産は長期的な投資であると指摘しています。多くのオーナーは、現在の市場価格に満足するのではなく、将来的なさらなる価値上昇を見込んでいます。実際、オフプラン物件のオーナーのうち、再販に動いているのは約10%から20%に過ぎず、大多数が長期保有を選択していることが分かります。
### 市場の「軟化」がもたらす安定
最近、ドバイの不動産市場は「軟化」または「沈静化」していると表現されることがあります。しかし、これは必ずしも否定的な意味ではありません。この現象の背景には、以下のような肯定的な要因が存在します。
- 地政学的な安定性:周辺地域の情勢と比較してドバイが安定しているため、多くの人々が移住先として選んでいます。
- 観光客の増加:過去最高の観光客数を記録しており、不動産需要を下支えしています。
- 人口の着実な増加:ドバイの人口は着実に増え続けており、住宅需要を押し上げています。
これらの要因が組み合わさることで、市場は急激な変動から、より安定的で持続可能な成長へと移行しつつあります。
今後の市場の見通し
専門家は、ドバイの不動産市場が正常化の段階に入ったと見ています。過去数ヶ月間、物件価格にわずかな下落傾向が見られましたが、これは過熱した市場が均衡を取り戻すための自然な調整と捉えられています。2026年に向けて、市場はよりバランスの取れた状態になると予測されています。
まとめ
ドバイのオフプラン不動産オーナーが物件を保有し続ける主な理由は、短期的な利益よりも長期的な資産価値の向上を期待しているためです。記録的な取引が続く一方で、市場は安定化・正常化の局面を迎えており、多くの投資家はドバイの将来性に対して強い信頼を寄せています。急成長の段階を経て、ドバイの不動産市場はより成熟した安定的な市場へと移行していると言えるでしょう。
参考記事: https://www.khaleejtimes.com/business/property/dubai-off-plan-properties-owners