
ドバイ不動産市場、2025年10月も好調を維持 – 売上高は前月比4.2%増を記録
概要:2025年10月のドバイ不動産市場
2025年10月、ドバイの不動産市場は底堅い動きを見せ、売上高の増加と安定した賃貸活動が続きました。これは、購入者および賃借人の高い信頼が維持されていることを示しています。
当月、ドバイでは合計18,339件の不動産取引が行われ、その総額は464億7000万AEDに達しました。取引件数自体は前月比で1.7%の微減となりましたが、売上総額は4.2%増加しました。この事実は、高価格帯の物件への需要が依然として高く、投資家の信頼が厚いことを物語っています。
売買市場の詳細
市場の内訳を見ると、取引全体の69%がオフプラン(未完成物件)の販売であり、残りの31%が中古物件市場での取引でした。特にオフプラン市場では、開発業者別の売上高でBinghatti社が30億AEDを記録し、トップとなりました。これにMeeras社、Damac Properties社、Emaar社が続いています。また、登記済み物件のカテゴリーではEmaar社が49億9000万AEDの売上を記録し、ドバイ不動産市場における圧倒的な存在感を示しました。
購入者の動向を見ると、タウンハウスへの関心は16%減少したものの、ヴィラへの関心が11%増加したことにより、全体としての購入意欲は前月比で1%上昇しました。
注目すべき点として、購入者の属性は投資家が58%、自己居住目的のエンドユーザーが42%となっており、ドバイが投資先としての魅力と居住地としての魅力を両立していることがうかがえます。
安定して推移する賃貸市場
賃貸市場においても、安定した動きが見られました。アパートの賃貸需要が前月比で5%増加したことが牽引し、賃貸全体の需要は1%上昇しました。一方で、タウンハウス(-7%)やヴィラ(-11%)への関心は若干低下しています。
10月の賃貸取引総数は48,656件に達し、そのうち新規契約が43%を占めました(9月は40%)。これは、新たな居住者の流入や市内での移転が活発であることを示しています。
平均賃料と支払い条件
ドバイ土地局(DLD)の報告による平均年間賃料は以下の通りです。
- アパート: 76,500 AED
- タウンハウス: 173,000 AED
- ヴィラ: 272,500 AED
支払い方法としては、小切手4回払いが34%と最も一般的で、次いで1回払いが27%でした。
専門家の見解と今後の展望
不動産仲介業者betterhomesの営業部長であるクリストファー・チナ氏は、「10月のデータはドバイの強固なファンダメンタルズを再確認させるものです。取引額が前月比で4%以上増加したことは、信頼感の高さを物語っています。購入者は、長期的な投資収益率が見込める質の高い開発物件、特にドバイ・ヒルズ・エステート、JVC、ビジネスベイといったコミュニティに注目しています」と述べています。
また、同社の賃貸部長であるルパート・シモンズ氏は、「賃貸市場、特にアパートにおいて力強い勢いが続いています。柔軟な支払い方法や立地の良い物件への需要は依然として高いです」と分析しています。
取引額の増加、安定した賃貸市場の成長、そして強い購入者心理を背景に、ドバイの不動産市場は長期的な安定性を示しています。安定した経済、継続的な投資家の関心、そして国際的な認知度の向上により、この勢いは2025年の第4四半期も続くと予想されます。
参考記事:October sees 4.2% rise in Dubai property sales value as market holds steady