
ドバイ不動産市場に「供給過多」は本当に起こったのか?大手メディアの予測と2025年の現実を検証
ドバイ不動産市場の予測:大手メディアと実際のデータ
多くの大手メディアは、ドバイの不動産市場で「供給過多」が起こり、価格が下がる(価格調整)と予測していました。しかし、実際のデータは、これらの予測とは異なる状況を示しています。
大手メディアの「供給過多」シナリオ
ムーディーズ、ブルームバーグ、ロイター、フィッチといった主要な金融メディアは、以前からドバイの不動産市場における供給過多と、それに伴う価格の下落を警告してきました。これらの予測は、多くの投資家や市場関係者の間で議論の的となっていました。
それに対し、ある専門家は1年前の時点で、2025年には約41,000戸の住宅が供給され、市場の価格調整は起こらないだろうと予測していました。
2025年の実際の供給実績
では、2025年末までに実際に何戸の住宅が供給されたのでしょうか。FE(不動産調査会社)が2025年に発表したレポートでは、年末までに約90,000戸の住宅が供給されると予想されていました。しかし、2025年12月末時点の実際のデータを見ると、供給された住宅ユニット数は約40,000戸にとどまりました。
これは、当初の予測(90,000戸)を大きく下回る数字であり、専門家が1年前に予測した41,000戸とほぼ一致しています。この結果は、大手メディアの供給過多という予測が現実とは異なっていたことを明確に示しています。
なぜ供給予測は外れたのか?ドバイ不動産市場の特性
なぜこのような大きな差が生じたのでしょうか。その背景には、アラブ首長国連邦(UAE)の不動産市場特有の事情があります。
- 建設遅延の常態化: UAEでは、建設が予定通りに進むことが少なく、50%未満のプロジェクトしか期限内に完成しないのが一般的です。
- 将来への供給シフト: 建設の遅れによって、本来であれば特定の年に供給されるはずだった物件が、翌年以降へとずれ込む傾向があります。
このため、たとえ多くの新規プロジェクトが計画されていても、実際の市場への供給は常に遅れが生じます。この「供給のずれ」こそが、供給過多を防ぎ、市場価格が安定する要因となっているのです。この傾向は、2026年、2027年も続くと予想されています。
まとめ:ドバイ不動産市場の今後
ドバイの不動産市場は、大手メディアが予測したような急速な供給過多や価格調整には至っていません。これは、建設遅延という市場の特性が供給量を調整し、需給バランスを保っているためと考えられます。
今後も、新規物件の供給が予定通りに進まないことで、需要が供給を上回り、市場価格が堅調に推移する可能性が高いでしょう。