
ドバイの家賃、隣人と違うのはなぜ?同じ建物でも賃料が異なる理由を専門家が解説
はじめに
ドバイの同じ建物に住んでいるにもかかわらず、隣人と自分の家賃が違うことに疑問を感じたことはありませんか?特に、支払い回数によって家賃に差が出ることがあるのか、という点は多くの居住者が抱く疑問です。本記事では、ドバイの法律に基づき、同じ建物内で異なる家賃が設定されることの合法性や、その背景にある理由について詳しく解説します。
結論:同じ建物でも家賃が異なるのは合法的
結論から言うと、ドバイでは家主が同じ建物内の類似した物件に対して、異なる家賃を請求することは合法的です。特に、賃料の支払い回数(小切手の枚数)に応じて賃料に差を設けることは、法律で禁止されていません。
重要なのは、その家賃がドバイ土地局(DLD)が定める賃料指数(RERA Calculator)の範囲内であることです。この基準を満たしている限り、家主と借主の間の合意に基づき、柔軟な家賃設定が認められています。
ドバイの賃貸借法における家賃設定の基本
ドバイの賃貸借法第9条では、家賃は賃貸契約書に明記されなければならないと定められています。もし契約書に家賃の記載がない、または合意した家賃を証明できない場合、その物件の家賃は類似物件の市場価格に基づいて決定されます。
この法律には、支払い回数によって家賃を統一しなければならないという具体的な規定はありません。つまり、家賃額と支払い条件は、あくまで家主と借主の間の交渉と合意によって決まるのが基本です。
なぜ支払い回数で家賃が変わるのか?
家主が支払い回数の少ないテナント(例えば、1年分の家賃を1枚の小切手で支払うテナント)に対して、より低い家賃を提供することがあります。これには、以下のような理由が考えられます。
- 管理の簡素化:支払い回数が少ないほど、家主側の入金管理や手続きの手間が省けます。
- 滞納リスクの軽減:一括で支払いを受けることで、家主は将来の家賃滞納リスクを回避できます。
- 資金確保:まとまった資金を早期に確保できるため、家主にとって経済的なメリットが大きくなります。
これらのメリットをテナントに還元する形で、家賃の割引が提供されるのです。したがって、支払い回数が多い(小切手の枚数が多い)ほど、家賃が若干高くなる傾向があります。
自分の家賃が適正か確認する方法
ご自身の家賃が適正な範囲内にあるかを確認したい場合、ドバイ土地局(DLD)のウェブサイトで公開されている賃料指数(RERA Calculator)を利用することができます。このツールを使えば、お住まいのエリアや物件タイプにおける標準的な家賃を確認することが可能です。
もし現在の家賃がこの指数を大幅に超えていなければ、たとえ隣人と金額が異なっていたとしても、法的には問題ないと判断される可能性が高いです。
まとめ
ドバイにおいて、同じ建物内の類似物件で家賃が異なることは珍しくなく、法的に認められています。特に支払い回数に応じた家賃の違いは、家主の裁量による一般的な商慣習です。重要なのは、契約する家賃がドバイ土地局(DLD)の定める適正な範囲内にあることです。自身の契約内容に疑問がある場合は、まずは公式の賃料指数を確認してみることをお勧めします。
参考記事: Khaleej Times - Dubai: Can a landlord charge different rents to tenants of the same building?