
ドバイが描く未来都市:自動運転特区の全貌を解説【ロボタクシー・ドローン配送】
はじめに
ドバイが、交通の未来を大きく変える新たなプロジェクトを発表しました。メトロを降りて自動運転の渡し船「アブラ」に乗り、ロボタクシーで目的地へ向かい、購入した商品は配送ロボットが届ける。そんなSF映画のような日常が、もうすぐ現実のものとなります。本記事では、ドバイに新設される「自動運転交通特区」の詳細と、それが私たちの生活にどのような影響を与えるのかを分かりやすく解説します。
自動運転交通特区とは?
この先進的なプロジェクトは、ドバイ・フェスティバル・シティ、クリーク、アル・ジャダフを含むエリアを対象とした未来型の交通システムを構築するものです。具体的な計画は以下の通りです。
- 総面積: 12平方キロメートル
- 道路: ロボバスやロボシャトルが運行する20kmの専用道路
- 水路: 自動運転のロボボートが航行する10kmの水路
- 配送網: 配送ロボットがカバーする3.8kmのエリア
この特区では、既存の無人運転メトロに加え、ロボタクシー、小型のロボバン、自動清掃車などが導入され、世界で最も進んだ自動運転交通システムの一つが誕生します。また、これらの車両を支えるための公共充電ポイントも整備される予定です。
導入される主な自動運転車両
特区内では、多様な目的を持つ自動運転車両が活躍します。
- ロボタクシー: 人を目的地まで運ぶ自動運転タクシー
- ロボバス、ロボシャトル: 決まったルートを運行する公共交通機関
- ロボボート: 水上を移動する自動運転の船(アブラ)
- 配送ロボット: 食料品や荷物を届ける小型ロボット
- ロボバン: 軽貨物用の自動運転バン
- ロボスイーパー: 道路を自動で清掃する車両
プロジェクトの目標と今後の展望
この取り組みは、ドバイの「自動運転交通戦略 2025–2040」の一環です。この戦略は、現在20.4%である自動運転交通の利用率を、2030年までに25%、2040年までに36%へ引き上げることを目標としています。
ドバイ道路交通局(RTA)は、この計画を実現するためにWeRide社、Baidu(Apollo Go)社、Pony.ai社といった世界的なテクノロジー企業と提携しています。現在、ドバイの一部地域ではすでに60台もの自動運転タクシーが試験走行を行っており、その結果は非常に良好であると報告されています。
RTAの交通システム部長であるKhaled Al Awadhi氏によると、ロボタクシーの本格的な商業運転は2026年初頭に開始される見込みです。この特区の設立は、ドバイがスマートシティとして、また未来のライフスタイルのモデルとして世界をリードしていくための重要な一歩と言えるでしょう。
参考記事: Gulf News - Dubai unveils futuristic self-driving zone with Metro, Robotaxis, boats, delivery bots