
ラスアルハイマ不動産市場、2025年第3四半期に高騰:アルマジャン島がアパート価格上昇を牽引
はじめに
2025年第3四半期、アラブ首長国連邦(UAE)のラスアルハイマにおける不動産市場が著しい成長を遂げました。特に、人工島であるアルマジャン島のアパート価格が急騰し、市場全体の成長を牽引しています。本記事では、最新のValuStrat価格指数(VPI)に基づき、ラスアルハイマの不動産市場の動向を初心者にも分かりやすく解説します。
ラスアルハイマ不動産市場の概況:2025年第3四半期
2025年第3四半期におけるラスアルハイマの自由保有(フリーホールド)住宅市場全体の価格指数(VPI)は122.2ポイントに達しました。これは、前年比で14.9%、前期比では4.3%の上昇を意味します。市場の基準値は2024年第1四半期の100ポイントに設定されています。
この期間の住宅物件の平均資本価値は141万ディルハムでした。内訳は以下の通りです。
- アパート平均価格:118万ディルハム
- ヴィラ平均価格:228万ディルハム
平方フィートあたりの単価では、アパートが861ディルハム、ヴィラが1,025ディルハムとなっています。
アパート市場の動向:アルマジャン島が牽引
アパート市場は特に力強い成長を見せており、ラスアルハイマ全体での資本価値は年間で15.5%、四半期で4.9%上昇しました。この成長を最も牽引したのがアルマジャン島です。
主要エリア別のアパート価格年間上昇率
- アルマジャン島:16.8%増(前期比6.3%増)
- アルハムラ:14.8%増
- ミナ・アル・アラブ:13.6%増
アルマジャン島は価格上昇率だけでなく、その価格水準においても他を圧倒しています。同島のアパートは1平方フィートあたり1,127ディルハムと評価されており、アルハムラ(890ディルハム)やミナ・アル・アラブ(888ディルハム)を大幅に上回っています。
ヴィラ市場の動向
ヴィラ市場も堅調な成長を維持していますが、アパート市場と比較すると伸びは緩やかです。ヴィラの価格指数は122.6ポイントに達し、年間で13.8%、四半期で3.3%の上昇を記録しました。
エリア別では、ミナ・アル・アラブのヴィラが年間15.8%増と最も高い成長率を示し、次いでアルハムラのヴィラが12.1%増となりました。
オフプラン物件が市場を席巻
2025年の最初の9ヶ月間において、ラスアルハイマの住宅販売の実に84%をオフプラン(未完成物件)の取引が占めました。この期間に販売されたオフプラン物件は4,100戸以上、総額82億ディルハムを超えています。
一方で、完成済み物件の取引は776戸、総額9億900万ディルハムと、比較的落ち着いた動きを見せました。このデータは、投資家や住宅購入者の関心が、現在開発中の新しいプロジェクトに強く向いていることを示しています。
投資家が注目すべきポイント
ラスアルハイマの不動産市場は、投資家にとって魅力的な要素を多く含んでいます。
- 安定した賃貸利回り:首長国全体の住宅における平均賃貸利回りは5.4%と健全な水準を維持しています。アパートの利回りは平均と同じ5.4%、ヴィラは5.2%です。
- ウォーターフロントへの需要:アルマジャン島のような、水辺に面したライフスタイルを提供するコミュニティへの需要が非常に高まっています。インフラ整備や高級住宅・観光拠点としての位置づけが、その価値をさらに押し上げています。
まとめ
2025年第3四半期のラスアルハイマ不動産市場は、アルマジャン島を筆頭に力強い成長を遂げました。特にオフプラン物件への旺盛な需要が市場を牽引しており、投資家の信頼の高さがうかがえます。今後もインフラ開発が進むことで、ラスアルハイマ、特に高級感のある沿岸部のコミュニティは、不動産ホットスポットとしてさらに進化していくことが予想されます。
参考記事
Khaleej Times: Al Marjan Island leads Ras Al Khaimah’s soaring apartment market in Q3 2025