
ドバイのオフプラン購入で注意したい3つのこと―引渡し・完成品質・円での支払額
オフプラン物件を選ぶときは、デベロッパーから提供された情報だけで決断をすることになります。しかし、その時点では部屋の仕上がりも、実際にいつ使い始められるかも確定していません。
YAMATO CAPITAL代表の戸山昇に、オフプラン物件の購入前に確認したいことを聞きました。戸山氏が挙げたのは、引渡しの遅れ、完成後の品質、そして日本円での支払額です。現場での経験をもとに、三つの確認点を紹介します。

図:戸山氏が重視する確認点の全体像。
1. 引渡しが遅れても、利用開始を待てるか
戸山氏が気にかけているのは、引渡しの遅れです。完成予定に合わせて住み始めるつもりなら、仮住まいが必要になるかもしれません。賃貸に出す予定なら、家賃収入の開始も後ろにずれます。
引渡しが数カ月延びたら、仮住まいの費用はいくらかかるか。賃貸に出すなら、収入がない期間をどこまで見込むか。住み替えや賃貸開始の予定を動かせるかも含め、購入前に考えておきましょう。
長い場合には、引渡しが予定より1年ほど遅れるケースもあるといいます。販売資料の完成予定日と契約書上の引渡し日・猶予期間を照らし合わせ、補償や解約・返金の条件を確認してください。
工事の進み具合は、ドバイ土地局のProject Status(Mashrooi)で確認できます。ただし、表示される完成率は将来の引渡し日や補償を保証するものではありません。売主の説明や契約書の内容と照らし合わせてみましょう。

図:引渡し遅れのイメージ。戸山氏の実務上の目安であり、市場全体の統計ではない。
2. 完成予想図と、実際の仕上がりをどう比べるか
完成予想図だけで判断しないことも、戸山氏が大切にしている点です。引渡し後の仕上がりは、デベロッパーによって差があります。購入する部屋の実物はまだ見られなくても、同じデベロッパーの過去の完成物件は参考になります。
具体的には、床材やキッチンなどの室内仕様、共用施設、モデルルームで見た設備が標準仕様かどうかを資料で確認しましょう。過去の完成物件を見られるなら、仕上がりに加え、共用部分の維持や修繕への対応も見ておきたいところです。エージェントが過去にそのデベロッパーの物件を扱っていれば、引渡し後にどんな対応が必要だったかも聞いてみましょう。
戸山氏が書面での確認を重視する背景には、別の賃貸案件での経験もあります。引渡し前の修理について取り決めの記録が十分に残らず、入居時に問題になりました。完成品質についても、口頭で聞いた内容と契約書・仕様書に残る条件を分けて確認したいところです。この経験は購入後の支援にこだわる理由でも紹介しています。
気になるデベロッパーがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。弊社がこれまでに関わった物件をもとに、パンフレットの内容と実際の仕上がりにどれくらいの差があったかなど、過去の経験をお伝えできます。
3. 為替・送金費用を含め、円でいくら払うか
物件価格はAEDで決まっていても、日本から支払う場合は円で資金を用意します。そのため、購入前には為替の影響と、送金にかかる手数料などの費用の二つを考えておく必要があります。
まず為替です。日本円で用意する金額は、支払時点の為替レートによって変わります。オフプランでは代金を数回に分けて支払うことがあり、購入時のレートだけで総額を計算すると、後の支払額を見誤るおそれがあります。各回の支払期日とAED額を一覧にし、円安になった場合も含めて円での支払額を試算しておけば、支払いを続けられるか判断しやすくなります。

図:仮定例。総額100万AEDを4回均等払いとした場合の円支払額イメージ。実レート予測ではない。
次に送金費用です。送金手数料の表示額だけで費用を判断しないよう、戸山氏は勧めます。金融機関ごとの両替レートの差や送金に伴う費用も含め、必要なAEDが着金するまでに円でいくら払うかを比べましょう。あわせて、登録関連の費用など、物件代金以外に必要な金額と支払時期も把握しておきたいところです。オフプラン物件の初期売買登録については、ドバイ土地局が手続きと費用を案内しています。実際の負担額は契約条件で確認してください。
為替や送金などの費用が実質利回りに与える影響は、購入・保有・送金の費用を含む利回りの記事で詳しく扱っています。
三つの確認を、購入前の判断に使う
オフプランには、完成前だからこそ選べる物件があります。戸山氏の話を踏まえ、購入前に確認したいのは次の三点です。
- 引渡し時期:半年から1年遅れた場合、自分で使う予定や賃貸開始の計画はどう変わるか。契約書の引渡し日、猶予期間、遅延時の扱いはどうなっているか。
- 完成品質:仕様書には何が書かれ、同じデベロッパーの過去の完成物件ではどう実現されているか。
- 円での支払額:各回に必要なAEDを、為替レートと送金費用を含めて円ではいくら用意するか。円安になっても支払いを続けられるか。
この三つでオフプランのリスクをすべて網羅できるわけではありません。戸山氏が現場経験から重視する確認点です。予定通りに進む場合の魅力だけでなく、予定が変わった場合にも購入目的を果たせるかを確かめてください。個別の契約条項は現地の専門家にも相談したうえで判断しましょう。完成済み物件との基本的な違いは、ドバイ不動産の購入ガイドでも整理しています。





