
【2026年第2四半期】ドバイ・アブダビ不動産市場の最新動向:価格と賃料は安定化へ
はじめに
2026年第2四半期、アラブ首長国連邦(UAE)の不動産市場、特にドバイとアブダビにおいて、住宅価格と賃料の上昇が緩やかになる傾向が見られました。数年間にわたる力強い成長を経て、市場がより均衡の取れた状態へと移行しつつあることを示唆しています。本記事では、最新のデータに基づき、ドバイとアブダビの不動産市場の動向を詳しく解説します。
ドバイ不動産市場の動向
ドバイでは、住宅購入者と賃借人の双方にとって安心材料となる変化が見られました。
販売価格と賃料の調整
- 販売価格:アパートとヴィラの平均販売価格は、前期比で3%下落しました。
- 賃貸価格:アパートの賃料は4%、ヴィラの賃料は2%下落しました。
市場安定化の背景
この価格調整の背景には、いくつかの要因が挙げられます。
- 手頃な価格への意識:物件価格の上昇により、人々が居住地を選択する際に価格の手頃さをより重視するようになりました。
- 賃貸から持ち家へ:賃貸から持ち家へと移行する動きが続いていることも、賃貸需要を緩和させています。
- 供給の増加:第2四半期には約11,650戸(アパート9,200戸、ヴィラ2,450戸)の新規住宅が供給され、2026年末までにはさらに56,600戸が完成予定です。供給の増加が市場の安定に寄与しています。
また、ドバイ土地局は「Flexi Rent」という新しい取り組みを導入し、家主が月払い、四半期払い、半年払いといった柔軟な支払いプランを提供できるようになりました。
アブダビ不動産市場の状況
アブダビでも、ドバイと同様の調整が見られました。
販売価格と取引量の詳細
- 販売価格:アパートの平均販売価格は前期比で3%、ヴィラは1%下落しました。しかし、前年同期比では依然としてアパートが19%、ヴィラが10%高い水準を維持しています。
- 取引量:第2四半期の住宅取引件数は約7,200件で、前期比では8%減少したものの、前年同期比では83%の大幅な増加となりました。特に、取引の約84%をオフプラン物件(未完成物件)が占めています。
賃貸市場の調整
2025年から2026年初頭にかけて力強い上昇を見せた賃貸市場も、落ち着きを取り戻しています。
- 賃貸価格:アパートの賃料は前期比で2%、ヴィラは3%下落しました。ただし、年間ベースではアパートが7%、ヴィラが5%高い水準です。
- 住宅供給:第2四半期には約2,200戸が供給され、年内にはさらに3,200戸が完成する見込みです。
オフィス市場は依然として好調
住宅市場が調整局面に入る一方で、高品質なオフィススペースへの需要は引き続き旺盛です。
- アブダビ:アル・マライア島のアブダビ・グローバル・マーケットは満室稼働中で、入居待ちリストが存在するほどの人気です。
- ドバイ:オフィス市場は際立ったパフォーマンスを見せており、特にグレードAのオフプラン開発に対する需要が、複数のエリアで価格成長を支えています。
北部首長国の市場概況
シャルジャやラス・アル・ハイマなどの北部首長国でも、住宅の賃料と価格に若干の緩和が見られました。シャルジャではアパートの賃料が前期比で約4%下落し、販売価格もシャルジャで3%、ラス・アル・ハイマで2%下落しました。一方で、シャルジャでは新規開発が活発化しており、2026年には北部首長国全体で約7,450戸の住宅が完成する予定です。
まとめ
2026年第2四半期のUAE不動産市場は、数年間の急成長を経て、価格と賃料が安定化する調整局面に入りました。特にドバイとアブダビでは、新規供給の増加と購入しやすい価格帯への需要シフトが市場をより健全な状態へと導いています。一方で、高品質なオフィス市場は依然として力強い需要を維持しており、UAE経済の多様性を示しています。今後の市場動向を引き続き注視することが重要です。
参考記事:Khaleej Times - UAE property market cools in Q2 as Dubai, Abu Dhabi home prices and rents ease





